死んだらどうなるの?〜死後の世界を考える〜

ここを読んでいるあなたは、今何となく満足した心が生じているかもしれませんが、あなたを動かしている意識においては、何となく物足りない人生を送っているのではないでしょうか、、、

7 転生が実在すると考えるほうが合理的である

転生があると考えないと説明のできない行動がある

イアン・スティーブンソン博士によると、

現行の心理学や精神医学の知識では説明しにくい

さまざまな異常行動などについて、

転生が実在していると考えたならば説明が可能となるという。 

これらの「転生があると考えたほうが説明のつく事例」を

一つずつ見ていくことにしよう。

 

1 乳幼児期における特定の事物に対する(先天的な)恐怖症 

こういった恐怖症は、通例、

前世の人格の死因に関係していると考えられる。

四歳のころから、

「前世の自分は日本兵であり、連合軍の飛行機の機銃掃射によって死亡した」

と語り始めたビルマの少女マ・ティン・アウン・ミヨは、

その後数年間にわたって飛行機恐怖症だった。

 

2 幼児期に見られる変わった興味と遊び

子供の多くは、

成人した後に就くことになる仕事に幼少期から興味を抱くものである。

聖人として知られるシエーナの聖カタリーナは幼少期に、

出家ごっこをして遊んだり、

食を断つなどの苦行を行なったりしていた。

七歳のときには、自らの生涯をイエス・キリストに捧げた。

父親はシエーナで染色業を営んでおり、

母親ともども信心深く、

娘が宗教的献身の生活に入ることに反対はしなかったが、

一家の暮らしぶりを見ても、

本人が聖女となったことを説明してくれる要因は見当たらない。

 

3 幼児期に見られる異例の能力や誰にも教わることなく示す技能 

アラスカに住む老漁師だった記憶をとどめる

コーリス・チョトキン・ジュニアは、

さいころから発動機に関心を示し、

発動機を操作、修理する技術まで持っていた。

 

4 嗜好品をほしがる

前世を記憶する子供の中には、

酒類やタバコ、大麻誘導体などの麻酔薬を欲しがって

(あるいは要求すらして) 大人たちを仰天させたものもある。

こうした子供たちの話では、

前世でこの種の嗜好品によって慰めを得たのを覚えており、

また飲み始めてはいけない理由がわからないというのである。

 

5 気質の違い

生後数日目の乳幼児ですら、

気質に著しい差が観察される。

気質になぜ個人差が生じるのかわからないとして、

困惑の色を隠さない専門家もある。

博士が調査を行なった数例では、

前世を記憶する子供について、

その子供の現世の気質と前世の人格との間に

共通した気質が見られることを情報提供者が強調している。

 

6 早熟な性的衝動

前世を記憶する子供たちの中には、

早くも幼少期に、

前世の人格の妻や愛人や恋人に対して

明白な性的関心を示す者がある、

また、やはり幼少期に、

前世の連れ合いに似た異性に言い寄った子供もある。

 

7 性的同一性の混乱

現在とは逆の性別の人間として送った前世を記憶しているという子供は、

たいていの場合、前世の性別に沿った行動特徴を幼児期に示す。

このような子供たちは、

現在の解剖学的性別を拒否するか、

拒絶しているかのようにふるまうことがある。

例えば、自分は男の子だと主張し、

男児の服を着たり、

男の子の遊びに興じたり、

名前を男の子のように呼ばれたいと

主張する少女がいるのである。

前出の、日本兵だったと主張するミヨは、

顔つきも男性的であり、

また男性のように振る舞うことを好み、

女性的な格好を嫌ったため、

ついには学校を中退せざるをえなくなったほどである。

同性愛的傾向を持つ人の中には、

前世と現在の性別が逆転している人が多いのかもしれない。

 

8 一卵性双生児にも大きな違いが見られる 

マウン・アウン・チョ・テインと

マウン・アウン・コ・ティンという

ビルマの双生児(男児)は、

精米所を営んでいた女性と、

その精米所に自分の田圃で収穫をした米を収めていた

米作農民の生涯を記憶していた。

この双生児の相互の行動や態度を見ると、

裕福な精米所経営者の少々横柄な態度と、

米作農民の慇懃な態度とがそのまま反映されていた。

 

9 一見理不尽な攻撃性

他人に対して、あるいは集団全体に対して

一部の人間が示す一見不合理な敵意は、

例えば前世で殺害された者が犯人に対して抱きそうな、

復讐心に満ちた態度を前世から現世に

そのまま持ち越しているものと思われる。

連合軍に殺されたという「元日本兵」のミヨは、

自分の面前でイギリス人やアメリカ人の話が出ると怒り出した。

 

10 妊娠中に見られる異常な食欲

マウン・ミント・ティンは、

アルコール依存症だった前世を記憶しており、

本人自身も小さいころ酒類をしきりに欲しがった。

彼女の母親は、

彼女を妊娠して四、五ヶ月の間、

酒を飲みたいという欲求が抗しがたいほど強かったと報告している。

 

11 左利き

祖母の生まれ変わりとされる

マ・キン・サンディというビルマ女性は左利きだったが、

祖母はそうではなかった。

また、家族内には他に左利きの者はいなかった。

ところが、祖母は脳卒中を起こし、

死亡するまでの数ヶ月間は

右手に麻痺を残していたのである。

そのため、 右腕が役立たずになった

という行動的記憶が残存しており、

それによりマ・キン・サンディは

左手を好んで使うようになったと思われる。

 

12 母斑や先天的欠損 

前世の記憶を持つとされる子供の中には、

情報提供者の証言をはじめとする証拠によると、

前世の人格の肉体についていた傷(その他の目印)と

符合する母斑や先天的欠損を持って生まれてくる者が多い。

一部には、本人の持っている疾患が、

前世の人格が持っていたものと一致する場合もある。

日本兵だったというミヨは、

死因となった連合軍の機銃掃射による傷あとと

同じ足の付け根にあざがあり、痛みがあった。

 

13 個々の人間の独自性

仮に、生まれ変わりという現象が起こることを

伺わせる証拠が全くなかったとしたら、

人間が生まれながらにして持っている能力は

遺伝子が偶然に混ぜ合わされた結果だとする

考え方に満足しなければならないことになろう。

ところが、ある程度の証拠が存在するため、

個々の人間がそれぞれ独自の特徴を備えているのは、

遺伝要素ばかりでなく、

(少なくとも一部は)前世の人格が経験した事柄によるのではないか、

という可能性が出てくるのである。 

ラリタ・アベヤワルデナは、

幼少期に先生ごっこをして遊び、

宗教的礼拝に異常な関心を示した。

その前世だとされるニランティーという女性は、

学校の教師だったばかりか、

信心深いことで有名な女性だったのである。

 

14 既視感(デジャ・ヴュ) 

一部の生まれ変わり型事例では、

自分が前世を送ったという村に初めて行った時に

既視感(初めての場所なのに、

前に来たことがあるような気がするという体験)が見られる。

既視感を経験しながら前世のイメージ記憶を持たない一般の人は、

いわば前世の先端だけ覚えていて、

それ以上の記憶を意識化できないということなのかもしれない。

 

● 生まれたときの違いは前世からの持ち越しか

これらの項目のうち、

5(気質の違い)、

8(一卵性双生児にも大きな違いが見られる)、

13(個々の人間の独自性)については、

「生まれたときに独自の個性を持って生まれている」

というふうにまとめることができよう。

人間は、生まれた時点ですでに身体的・性格的に

いろいろな違いや個性を持って生まれている。

これは、何らかの形で前世の影響を受けていると

考えると非常に理解しやすい。 

ここでたとえ話をしよう。

学力が同程度の二人の高校生がいたとする。

一人は、受験勉強に熱心に取り組んだために大学に合格した。

しかし、もう一人は、受験勉強をやらず遊びに夢中になったがために、

合格することができなかった。

合格発表時点を基準とした場合、

この二人になぜ合否という差異が生じたのかというと、

受験以前の二人の努力の相違が結果となって

現われたということができるだろう。

この構図を誕生時に当てはめてみよう。

生前に何がしかの原因や条件があるからこそ、

生まれた時点で違いが生じると考えられないだろうか。

つまり、生まれた時点で気質や独自性が見られ、

それが「前世」の人格との連続性を示しているような

事例があるということは、「生前」、

つまり前世が存在する可能性が

高いことを示しているとは言えないだろうか。

一般には、

「遺伝子に組み込まれている情報の違いが表に現われているにすぎない」

という説明をされるだろう。

しかし、8で示したように、

一卵性の双生児が同じ環境に育ったというのに、

性格に著しい違いが見られるという実例がある。

これは、遺伝子の影響以上に、

前世の影響を受けている可能性が高いと

考えた方が自然ではないだろうか。 

確かに非常に物覚えがよかったり、

あるいは早熟した才能に恵まれているために

「神童」などと呼ばれる天才児が時たま出現することがある。

これは、スティーブンソン博士らによる

以上のような研究成果をふまえるならば、

彼らは単に前世における記憶や才能を

そのまま引き継いでこの世に生まれてきたのだと

考えることができる。

 

●前世がないという反論はうまく説明ができない

これらの前世記憶について、

さまざまな反論があるだろう。

これについても、どうやら

「前世が存在する」

というほうに分があるようである。

まず考えられるのは、

「前世を覚えている子供」とその家族、

そして前世に関係があったとされる家族などが

ウソをついているのではないか、

ということだ。

つまり、最初に全部打ち合わせておいて、

狂言芝居をしているのではないか、

という考え方である。

しかし、調査された事例のほとんどが、

前世の記憶を持っている子供として

知られることが迷惑だったということだった。

インドの場合には、

前世が今と違ったカーストであるため、

家族が子供に話さないよう強要していたという例すらある。

転生が当然とされているインドでもこうだから、

キリスト教圏でそのような発言をすれば、

社会的に迫害されかねない。

さらに、スティーブンソン博士らはどの事例でも

数多くの証人から証言を集めている。

その証言に矛盾がなく、

ウソをつく動機も機会もなかったと詳細に調べている。 

このため、「ウソつき」説は成り立たないと考えていいだろう。 

次に考えられるのは、「潜在記憶」説である。 

前世の関係者に会ったことがあって、

それが潜在的に記憶として残っていたとか、

報道で読んだことがある、

というような考え方だ。

あるいは、家族同士が知り合いであり、

前世の「自分」に当たる人の死の状況の話を聞いていた子供が、

前世物語を知らず知らずのうちに作り上げてしまう、

という説である。

しかし、スティーブンソン博士の研究では、

家族間の交流があったというような例はほとんどなかった。

むしろ、「前世を記憶している子供」の検証調査によって

初めて接点が生まれたという例が大半なのである。 

そのほかにも、潜在記憶説への反論は可能だ。

 

・スティーブンソン博士が研究した地域は

メディアの発達が遅れているので情報を手に入れにくい。 

 

・前世を記憶している子供の多くが三歳以下で発言を始めている。

大人の会話やメディアの情報を断片的に聞いて

前世物語を始めるとは考えにくい。 

 

・前世の人物本人や家族以外には知られていない

秘密の事実について知っているケースもある。

 

・好みやくせ、恐怖症などの行動の一致は、

言葉を通じて得られた知識で再現できるものではない。