死んだらどうなるの?〜死後の世界を考える〜

ここを読んでいるあなたは、今何となく満足した心が生じているかもしれませんが、あなたを動かしている意識においては、何となく物足りない人生を送っているのではないでしょうか、、、

おわりに

 

 

 本書では、死後の世界の仕組みを、チベットに伝わる『バルド・トゥドゥル(チベット死 者の書)』をはじめとして、世界中の神話・宗教から概観してみた。

 これらの教えが真実かどうかは、確かに、実際の死を経験してみない限り、確認できないことかもしれない。だが、私たちは、死後の世界があると考えて生きるのか、それともないと考えて生きるのか、どちらかの生き方の選択を迫られる。ソギャル・リンポチェはいう。

 

「そんなに強情に死後の生を否定する理由は何ですか? 何か根拠があるのですか? 死後の生の存在を否定したまま死んでみたら、その先にまた別の生があった!? もしそうなっ て、その時あなたに何ができます? 死後の生など存在しないと信じ込むことで、あなたは自分に限界を設けているのではないでしょうか。たとえあなたのいう”具体的な証拠”がなくとも、死後の生の可能性に対して疑わしきは罰せずの姿勢でいるほうが、少なくとも開かれた姿勢でいるほうが、ずっと理にかなっているのではないでしょうか。一体何が死後の生 の”具体的な証拠”になるというのでしょうね?」

 また、わたしは皆にこう自問してもらいたいと思っている。すべての主要な宗教がこの生 ののちの生を信じてきたのはなぜなのか。偉大なる哲学者、賢人、アジアの創造的な天才と いった人々はもちろん、歴史上の無数の人々がその人生の重要な一部としてこの信仰を生き てきたのはなぜなのか。彼らは皆ただ単にかつがれていただけなのか。

 

 確かに、頭ごなしに否定するのではなく、「あるかもしれない」と考えてもいいような気はする。絶対に存在しない、とは、数々の実例からも断定しにくいのであるから。  私はこれからも、真実の死後の世界について調べていきたいと思っている。そして、その中間発表であるこの冊子が、真実の死後の世界を求める人たちのガイドラインの一つになれば幸いであると考えている。